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表も裏もない家

[ 2019 ]

CONCEPT

「表も裏もない家にして欲しい」
ヒアリングの際に出た施主からのワクワクするお題がこのプロジェクトの始まりである。

 敷地は閑静な住宅街の中にある角地で二面が道路に面している。
 諸室としては最小限で、1、2階共に水廻り以外は仕切りが無く、ひと続きの部屋となっている。1階は視線が合わないよう開口部を抑え、2階や吹抜けには大胆にハイサイドライトを設けて採光と通風を確保した。

 最終的な形状に落ち着くまで紆余曲折あったのだが、お題に対して我々は「建物としての顔を無くす」という最終的な結論に至った。
 敷地の中央付近に2層分の板張りのコアを配置し、切妻の大屋根を掛けた。その周辺に高さの異なる3つのボリュームをそれぞれ角度を振りながらコアに貼り付いているような形で付随させた。
 
 この高さも向いている方向もバラバラな4つのボリュームと大きくせり出した大屋根が建物としての正面性を無くし、それぞれの面が表でもあり、裏でもある。
 言い換えれば、「表も裏もない家」である。

  • プロジェクト:表も裏もない家
    主要用途:住宅
    所在地:京都市左京区
    竣工年月:2019年10月
    カテゴリー:新築
    主要構造:木造
    規模:地上2階建
  • 構造:門藤芳樹構造設計事務所 / 門藤 芳樹
    施工:木村全伸工務店
    写真:麥生田 兵吾

DATA