O-PORT-able
滋賀県大津市の大津港旅客ターミナル内売店及びカフェ部分を、ビワイチサイクル(琵琶湖サイクリング)の出発拠点として、サイクルステーションとカフェを整備するプロジェクトである。
この場所には、ビワイチを利用する「サイクリスト」、クルーズ船を利用する「観光客」、湖岸沿いを行き来する「地域住民」など、さまざまな目的を持った人々が集まるエリアになっている。使い方も様々な状況が想定される中で、固定によって使い方に制限が出来てしまう状態ではなく、必要に応じて調整や移動が行いやすい「動く建築」を主体として、空間を構成していくことにした。屋外に配置される自転車倉庫は、自転車を格納する役割の他にもイベント利用や、横並びにして施設としての顔をつくる役割も担っている。
ビワイチを起点とした観光ハブとしてサイクリストに必要な設備と機能を統合した、 新たな観光拠点「O-PORT-able」は、滋賀におけるサイクリングイメージをより観光客や地域の人々へ可視化することが このプロジェクトの重要な役割だと考え、サイクリスト、観光客、地域住民、 さまざまな方の「PORT(港)」のような拠点となることを目指していく。 こうした事業コンセプトを実現するために、可動式の建築を主体に「PORTABLE(持ち運ぶ)」で 自由度の高い使い方が出来、利用方法や時代の変化に対応しやすい新たな拠点のあり方となっていくだろう。
さまざまな人たちの玄関口(PORT-al)としての役割を担う、許容力のある建築になったのではないかと思う。